蟲師 第20話 感想
「蟲と実際に対峙しないと分からない」
蟲を体内に宿し苦しんでいる淡幽こそ、どんな蟲師より蟲と対峙しているといえるだろう。
害虫として蟲を駆除することへの嫌悪感は、無意識に蟲と共存を望む感情から生まれたのだろうか。
蟲を紙に封印するには、蟲を駆除する噺に限らない。
ギンコの話すような蟲と共存し戯れる噺であってもよいのだ。
前者の場合は蟲を嫌悪の対象とし毒物を体から吐き出すようにして書に封じるのにたいし、
後者の場合は、好奇と情愛の対象として、蟲に命を吹き込む。
愛玩する「染み」により文字は時折紙から放たれ、彼女と戯れる。